オサケンの“うまいもん塾”

お酒なんでも研究所(オサケン)の“うまいもん”ブログです。

モロミの活け締め

私は日本酒の美味しさに目覚めた初期の頃、大吟醸の素晴らしいお酒に出会ったので、モロミにアルコールを添加してから上槽する手法そのものが、短絡的に悪いと言う事が出来ませんし、今でもそうは思っていません。
数多くのお酒に接していると、アル添大吟醸酒では、純米大吟醸では出来ないような(出来たとしても非常に稀なくらい)綺麗なバランスの物に出会います。これをどう解釈して説明(比喩)すれば良いのか、ずっと悩んでいたのですが、それが先週末に天然の活け締めの美味しい魚を食べて居る時にハタと気がついたのです。
上手なアル添は、モロミの活け締めと言って良いのでは無いかと。

日本酒の多くは、モロミ後期になると自分のアルコールで酵母自身がダメージを受けて少なからず死滅していきます。特にアルコール添加をしていない場合には、緩慢に死滅していくため自己消化した酵母由来の旨味・雑味等がついてしまい、味の綺麗さが無いお酒が多くなります。この旨味の強いお酒は、お燗などにすればそれはそれで美味しいのですが、芸術的に綺麗なバランス・綺麗な旨味の冷酒や冷や酒にはなかなかなりません。
私は燗酒も好きですが、綺麗な冷酒と言うのが若い時からもっとも好きです。
これは嗜好の問題でもありますが、鰹や鮪の刺身よりも、鯛や鮃、鯒や河豚といった魚の刺身が好きなのにも通じているように感じています。
お刺身が一般的に野締めではなく、任意的に血抜き処理をした活け締めの方が綺麗な味わいになるように、アル添酒はこれに類似したような処理と捕らえる事が出来、共通した味わいのニュアンスを感じているように思います。

私は天邪鬼な部分も有りますが、お酒の美味しさは純米酒かどうかと言うことにこだわりすぎている人が多い事に反発を覚えています。昨日も明らかに技術的に問題の有るオフフレーバーがある純米酒を純米酒と言うだけで評価している消費者の方がおリ、その隣にあった非常にバランスが良く取れた本醸造を試飲すらしていませんでした。食品はまずは安全である事が大事で、次には味わいが大事と思います。その味わいには、純米酒であるかどうかよりも、造りが上手かどうかの方に強く依存する事はもっときちんと理解されて然るべきと思っています。
増量目的のアル添酒は世の中から無くなってほしいと思いますが、綺麗で深みの有る酒質の実現の為に行われているアルコール添加は、今の日本の誇れる技術である事は間違いありません。
短絡的・盲信的に純米酒を評価するのではなく、味わいにしっかり目を向け評価する事の方が大事ではないでしょうか。


蛇足ですが、アル添酒を全否定するよりも前に、練り製品(魚肉加工品)や漬物の紛い物を厳しく糾弾して欲しいです。食品として非常に違和感の有る味わいの物は世の中の99%程度に達しているのではないかと思われますが、これを危機感を持って糾弾している人はほとんど居ません。
純米酒しか飲まないと言っている人でも、酒肴には変な味のものを平気で食べてたりする人がほとんどですが、この事も私の反発心を強くしているのです。

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西の関・秘蔵酒

西の関・秘蔵酒は、40年以上前に大吟醸の古酒を商品化されたものです。
時流に流されずに、味を守っている姿勢と先見の明には頭が下がる思いです。
画像のお酒は、その西の関・秘蔵酒ですが、平成4年の商品で、瓶詰されてから既に15年経っています。
西の関秘蔵酒
味わいは、シャンパーニュの極めて上質なものを更に繊細にしたような感じ。古酒と言うイメージで多くの方が感じられる紹興酒のニュアンスは全く有りません。ほんの少しシェリーやホワイトポートを感じるニュアンスがあるだけ…日本酒がこのように綺麗に熟成して枯れていくのを楽しませてくれるお酒でした。
日本酒の熟成酒は未だに過小評価されてしまうのは、玉石混交で悪いものの方が多いからなのですが、まずはこのように連綿と良い商品を世に送りつづけている蔵を再評価する事が大事なのではないかと思います。
ワインではこういう生産者の商品は高く評価され、入手難になったりしますが、日本酒はまだまだチャンスが有ります。
今回のようなお酒は、ワインのような市場であれば、最低でも10倍の値付けが妥当であるように思われます。
そうなってしまったら、せっせと自家熟成に努めますが(笑)

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かなりガッカリ

かめびしソイソルトは、最近時々TVでも目にするようになって気になっていた調味料です。基本的には醤油をフリーズドライしたもので、サラサラと使用出来るようにデキストリンが使われているようです。
かめびしソイソルト
溶かして使用すると価値がないので、塩で食べるような用途に使うと良いのですが、どうもデンプン(デキストリン)の作用で味が感じられるのにラグが有り、風味も良いとは言えず、調味料として珍奇な感じがするだけで、使った時の期待感が有った分、かなりがっかりしました。(あっ、価格も結構高めなので、それも含めると次に購入しないくらいはガッカリです)
醤油自体は良いものを造るメーカーなのに、こういう未完成にも感じられるものを造るのは、どうも納得がいきません。競合商品が他社には無いので、珍奇性でそこそこは売れると思いますが、売れる事よりももっと味を大切にして欲しかったです。
ともあれ、まだ残りが有るので、もう少し良い使い方はないか使用してみますが…。
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川鶴・純米大吟醸

川鶴・純米大吟醸 画像のお酒は、オオセトを使用した純米大吟醸です。
川鶴純米大吟醸オオセト
吟醸系は酒造好適米が使用される事が多く、あたかも酒造好適米でしか良酒は造れないかのように言う人もいますが、それは間違いです。酒造好適米の良さと言うのに何か科学的根拠が無いものか、色々と仮説検証をしてみた時期も有ったのですが、行き着いた結論は“現状の酒造方法に則った場合に造りやすい”と言う事が第一義ではないかと。
美味しさと言うのは幾方向にも可能性の有るもので、ワインで言えば同じシャルドネと言う葡萄を使用しても、モンラッシェのような方向も有れば、シャンパーニュのブランドブランのような方向性も、シャブリのような方向性も有るわけで、それぞれに一頭地抜けたようなものは、優劣を競うべきでは無いと思います。
酒米の場合も同じで、山田錦によるお酒と比較するのではなく、オオセトで良く出来た物自身は、味乗りは不充分になる事が多いものの、搾りや管理が適切であれば、非常に繊細な滋味をもったお酒が出来あがります。(もちろん、山田錦を使用しても繊細な味わいのものはできます)
試飲即売でこの蔵の商品を色々と試飲した中には山田錦の純米大吟醸も有りましたが、広く他の蔵の商品との比較を頭の中で試みても、良く出来ている感じと言うのは、このオオセトの商品が一番でした。価格は、日本酒は原価計算が基で決められる事が多く、今回も山田錦の商品よりも価格は大きく下で、ここにもまた日本酒の抱える問題が見て取れます。
オオセトと言うと、綾菊が有名ですが、綾菊の大吟醸もかつては微かな葡萄のようなフレーバーを湛える美酒で、その繊細な美味に若いながら感心したものです。アマテカレイやフグの刺身には、こういうお酒を合わせるのも極上の選択だろうと思えるような…。
生酒でも繊細な味わいと言うのはもう少し評価されても良いような気がします。ワインでもパーカー評価が高いインパクトが強いものが良いワインのように言われがちなのに対応し、日本酒でもインパクトが強いものが良い酒のように言われるきらいが有りますが、皆がそればっかりになっては多様性と言う事がなくなり食の楽しみも減ってしまいます。こうした安いお米から出来る良酒も認められ、楽しみの自由度が広がるようになって欲しいものです。

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羽前桜川・吟醸古酒

羽前桜川・吟醸古酒吟醸古酒と言いながら、精米歩合35%の大吟醸を7年も寝かせたと言う素晴らしい古酒です。
羽前桜川吟醸古酒
老ね香は全くと言って良いほど無く、繊細で深い味わいと綺麗な押し、木香様の含み香が心地よく、まさに大吟古酒の美味しさを満喫させてくれます。前にも書きましたが、こうした透明感と深みのある美酒が未だに大きく知られずに眠っているのは、嬉しい反面この先大丈夫なのか不安になることがあります。熟成酒の分野は、未だに9割はさして美味しくないものなので、これがある限りなかなか広がりませんが、繊細な味わいが享受できる方であれば、恐らくは味わいを求めて行きつく分野であると思います。コラムに大吟醸の古酒が多いのも、この分野に私の求める理想的な味わいを感じるお酒が多いからで、認知度が低いこの分野を是非美味しいものが好きな読者に覚えてもらいたいと思っているからです。まだまだ吟醸古酒で御紹介したいお酒はありますので、順次取り上げていきたいと思います。

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一つの理想形を感じるお酒

刈穂・山廃純米大吟醸“種月(しゅげつ)”このお酒はライト山廃大吟醸の一つの理想形と言っても良い素晴らしいお酒です。(と言っても、酒だけ飲んで美味しいと言うよりも、料理と合わせたときのすごさが飲んだ瞬間に分かるようなタイプです。)
種月
うっすらと香ばしい香りがし、透明感を感じるクリアな厚みのある味わいで酸味と軽い苦味がしっかりと輪郭を作ります。以前より刈穂は山廃大吟系が得意で、知る人ぞ知る銘酒でしたが、このお酒はその集大成とも言える味わいがします。常きげんや菊姫、天狗舞、岩の井などとも違い、福光屋の“初心”とも違うタイプで、一飲の価値は大いにあります。
焼いた貝やキノコの旨みとの相性が良いと思われるので、是非焼き貝と合わせてみて下さい。コラムでは北寄貝の焼き貝と合わせた時の衝撃を書きましたが、感動の渦と言う感じでした。

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光食品のオイスターソース

オイスターソースは、なかなか納得出来る物の無い調味料ですが、この度自然食品のお店を覗いたら光食品のオイスターソースが売っていましたので、購入してみました。
ヒカリのオイスターソース
味わってみると、塩味がかなり効いたタイプのもので、こうしたタイプは、甘味のあるタイプの物と同様に使用するとかなり塩辛くなってしまいます。また魚醤の風味があるので、魚醤を使用した料理に少し加えてコクが有るようにする用途にも良いのかもしれません。塩家が強い点と、魚醤のようなニュアンスが感じられる点さえ気を付ければ、おそらくは綺麗な牡蠣の旨みがのった調味に使用出来そうです。
一度、ネギたっぷりと生烏賊でつくるヤキソバに使用して味を確認してみたいと思います。

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椰子の芽

最近出会った面白い食材の一つ椰子の芽椰子の芽を食用にすること自体知らなかったのですが、今回缶詰として入手出来たので、早速食べてみる事にしました。
椰子の芽
缶詰は保存性を良くするために加工方法が限られてしまうので、味は恐らくホワイトアスパラガスに似ていると予想した通りでしたが、変わった食材と言う面白さも手伝って、興味深く食べる事が出来ました。
おいしいベシャメルソースか、チーズなどをうまく組み合わせる事で、お酒に合う一品にもなるように思われますので、次回の「うまいもん塾」の酒肴として検討しています。

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焼き干いわし

最近そこここで名前を聞く焼き干いわし遅れ馳せながら手に入れてみました。
焼き干いわし
パッケージを読むと、ほんの少量で濃い出汁がとれるとの事、でもイノシン酸の含有濃度はそれほど大きく違うはずはないので、どうなのかと思って試してみると、なんともほんのりと薄い出汁しかとれません。出汁のとり方に別の方法が有るのかも知れないので、もう少し検討してみようと思いますが、どうにも期待はずれの感が…。
出汁のとり方が分かったら、また取り上げたいと思います。

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とろみそ

八丁味噌はさほど使い親しんだ事が無いので、良い品を求めてあまり探した事が無い分野です。関東に住んでいた時も今もあまり沢山のバリエーションが見当たらず、好奇心を満たしてくれる物はありませんでした。
つい最近デパチカで見つけたのがこれとろみそ
とろみそという商品で、仕込んだ木桶の中心部から熟成の進んだとろりとした部分を詰めたとの事。
大きな木桶のような熱交換が遅く、醗酵しているものも対流などによる熱交換が進まない物では、醗酵熱は外部から遠い距離にある部分で一番篭った状態になり、温度が高い状態を維持される事で熟成が進んだ様相を呈します。
ただ、この商品の場合、もともとの熟成期間が短いのか、星六味噌の3年物よりも浅い熟成の感じで、味わいもそれなりであったのが残念な所です。

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